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干し柿の漬け酒・漬けくらべ

干し柿もらった

先日、干し柿のおすそ分けをいただいた。知人のご実家では、毎年獲れる柿を干し柿にしているらしく、「漬け酒に試してみてください」と。

ふむふむ、ずっしりと重く存在感のある立派な干し柿。さっそく漬けてみよう。

具材のチェック

まずは恒例。漬ける前に具材の味見をしよう。

素材の味を知っておくのはとっても大事。

生の柿と比べると、ねっとりしていて甘みも濃厚。

ほのかに木の感じがするのは柿の特徴かも。

おいしい漬け酒になりそうだ。

原酒選び

さて、原酒は何にしようかな.。

いつもはお気に入りのドライフルーツ屋さんの無添加ドライ柿をフランス系ゴールドラムで漬けているので、そのレシピを参考にしようと思っていたら、あいにくその銘柄は輸入元の諸事情でなかなか手に入らない…。

あらためて、相性の良さそうな原酒を探してみよう。
いつものことながら、具材をしがみつつ、頭によぎるラム酒とカシャッサをつぎつぎとペアリングして相性を探ってみる。

トロワリビエール・ブラン、シャレット・ブラン、ハバナキラブ3年、ハバナクラブ7年、ロン・アブエロ12年、ディプロマティコ・プラナス、アップルトンエステート12年、セレッタ、ウェーバーハウス・プラタ......

ふぅ...結構飲んだな。

直感でフィットしたのは、この2つ。

  • ディプロマティコ・プラナス
    1つめは、「ディプロマティコ・プラナス」中南米ベネズエラ産/スペイン系
    3年熟成したラムを、ろ過した甘口ホワイト ラム。バランスが良く、旨みたっぷり。ほのかに紅茶のアロマ。
    フランス系やジャマイカ産を除いて、ホワイトラムは熟成ラムやゴールドラムと比べると個性は控え目でそのまま味わうよりも専らカクテル用途に扱われる銘柄が多いことを踏まえると、ディプロマティコ・プラナスは驚くほど優雅で豊かな味わい。
    マイルドで何にでも合わせやすいので。漬け酒にも万能選手と言える。
  • シャレット・ブラン
    2つめは、「シャレット・ブラン」インド洋に浮かぶレユニオン島産/フランス系
    青リンゴのような爽やかなフルーティーさとサトウキビの旨みを感じられる少しエッジの効いたホワイトラム。
    埋もれがちな柿の風味にメリハリを効かせてくれそう。
    ちなみに、レユニオン島は漬け酒のメッカとして有名。

ということで、「まろやか」と「さわやかでエッジー」タイプの真逆な2種のラム酒で漬けくらべスタート。いつものように、瓶の口に入るサイズに具材をカットして投入。それぞれを原酒で満たしていく。軽く瓶を振って全体をなじませ、数日間様子を見ます。この段階では加糖しないのは、素材本来の甘味を確かめるため。

おや、トラブル?からのスパイス投入

9日経過。風味はそれぞれ良い具合になっている。でも、ちょっと気になることが......

全体的に濁りが出て、モワモワと白っぽいワタのような凝固物ができている。一瞬焦ったけど、ここは落ち着いて考えて対処しよう。とりあえず、一旦茶こし&コーヒーフィルターで濾してみる。ポタリ...ポタリ...と数滴ずつしか濾せないので、メチャクチャ時間かかる。待ってる間にアトリエの床磨きをしてました。時間は有効に使わなきゃね。濾し終わって見てみると、透明度も高くきれいになっていたので容器に戻します。具材も異常はなかったのでそれぞれの容器に戻す。一難去ったところで、漬け込み再開。

さて、スパイスはどうしようかな。それぞれの風味が違うので、合わせるスパイスは同じじゃない。ディプロマティコ・ラナスはしっかり甘く、マイルド。このままでもおいしいけれど、アクセントがほしいのでタイムを。スライスレモンの酸味でバランスを取ります。そして少量の加糖。シャレット・ブランはパキッとメリハリのあるクセ感と爽やかなフルーティーさが面白い。さらにクローブの個性をぶつけてみよう。こちらもスライスレモンを加えてバランスを取ります。そして少量の加糖も。クローブって刺激が強くて個性的だけど、南米では甘いスパイスとして扱われているそう。そして、甘味と酸味との相性が良いんだよね。

そろそろ仕上げ

4日間経過したので味見してみる。

ディプロマティコ・プラナスの方はタイムの主張を強く感じる。シャレット・ブランは少し荒々しいかも。少し寝かせて様子を見よう。

完成/発見と学び

1週間経ったので味見。それぞれ、うまく仕上がっていて嬉しい。原酒との相性は良好で新たなレシピの誕生です。

ディプロマティコ・プラナスの方は、ほどよく甘く、タイムもほのかに感じる程度に調和していて微かに紅茶のアロマを感じさせるマイルドな仕上がり。

シャレット・ブランの方は、クローブの刺激と甘みが出て全体を引き締めつつ、うまくまとまっています。そこにレモンの爽やかさが加わって、個性的ながらスッキリとバランスのいい仕上がり。

今回の発見と学びは、

自家製の干し柿はおいしい漬け酒になる。

凝固物ができてしまったら茶こし&ペーパーフィルターで濾してみる。

スパイスはそれぞれの風味に合わせて個別に選ぼう。

ディプロマティコ・プラナスとシャレット・ブランは漬け酒に万能。

クローブと柑橘の相性は抜群。

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