つくる 日々是漬け酒

カシャッサで漬ける梅酒づくり 後編

さて、早いもので梅酒を漬けはじめてから5ヶ月近くが経ちます。
https://www.n-labo.net/column/299
実は、この記事を書くよりもずっとまえに、6月につけ始めてから約2週間経過したあたりで一度完成していました。
完成してからも漬け酒は変化し続けます。その時々の美味しさを味わいながら、グラスを選んでみたり飲み方を変えてみたり、そして追い漬けするなどアレンジするのも楽しさのひとつです。
というわけで今回の記事は、完成した梅酒に対してどのように追い漬けしたか、味への対応方法などを紹介したいと思います。またグラスによっての味の違いなども研究しましたのでご参考にしてください。

カシャッサで漬ける梅酒づくり

まずは今回の材料とレシピ

使用した容器の大きさは1L

材料

  • セレッタ 600ml
  • 梅 12個
  • 氷砂糖 35g(氷砂糖は段階的に使用。17g/3g/15g)
  • コブミカンの葉 3枚

ここからは追い漬けに使用した材料

  • シナモン 1/2本
  • カルダモン 2粒
  • 氷砂糖 25g(氷砂糖は段階的に使用。15g/10g)

レシピ

  • 6月15日 容器に梅を入れ、原酒(セレッタ)で満たす
  • 6月22日 桃のような瑞々しく甘い香りがしてくる
    氷砂糖17gを加える
  • 6月25日 コブミカンの葉と氷砂糖3gを加える
  • 7月1日  一度目の完成

追い漬けレシピ

  • 7月20日 コブミカンの葉の酸味が強くなってきたが、そのまま漬けて様子をみる
    氷砂糖15gを加える
  • 8月11日 カルダモン2粒、シナモン1/2本を加える
  • 9月11日 コブミカンの葉を抜く
    氷砂糖15gを加える
  • 9月25日 氷砂糖10gを加える
  • 9月28日 二度目の完成

まず、一度目の完成では、スモモや杏のような瑞々しくて甘い、なんとも素敵な香りが特徴的で、味わいもほんのりと杏のような風味。コブミカンの酸味は梅と同調していて控えめながら、ふわっと夏を感じさせてくれます。

(画像)

前編でもふれましたが、梅はプラムや杏と同じバラ科サクラ属の果物だけあって香りがとってもフルーティーです。梅の実は毒があって生では食べられません。なので果物というよりも梅干しのイメージが強いですが、フルーティーな香りにはとても驚きます。英語では、梅の実をJapanese Apricot、梅干しはPikled Plum、梅の花をPllum と表現されるのも納得です。

今回のポイントはコブミカンの葉

今回合わせたスパイスは、コブミカンの葉。
砂時計のような形状の葉はタイ料理、ラオス料理、カンボジア料理で広く使われ、またインドネシア料理(特にバリ島、ジャワ島)でもポピュラーなのだとか。英語では、バイマックルー/Bai makruutと言います。ミカン科由来の柑橘の香りがあり、ローレルと同様の使い方をされるようです。果実は英語でカフィア.・ライム/Kaffia Limeと呼ばれるのが一般的ですが、Makuured Limeとも表現されるようです。外皮はレユニオン島やマダガスカル島ではクレオール料理によく使われ、スパイスド・ラムの香りづけにも使われます。ミカン系の酸味が特徴的。

3ヶ月経過したころに酸味がグッと強くなってきたので、カルダモンで爽やかなアクセントを足し、シナモンで重厚感のある甘みを加えてバランスをとりました。そしてコブミカンは抜いて加糖。一週間ほどで二度目の完成。狙い通りのまろやかな仕上がりになりました。

グラスを変えて飲み比べ

3種のグラスで飲みくらべてみところ、それぞれの味わいが楽しめました。

(写真:3種のグラス)

  • ウイスキーグラス シャープで酸味が際立つ
  • 丸みのあるショットグラス 厚みがあって旨みが堪能できる
  • 赤白兼用ワイングラス フルーティーでやさしい口当たり。まるで白ワインのよう。食事とのペアリングも良さそうです。

今後は、その時々で加糖したり、スパイスや果実を追い漬けしたり、自由にアレンジを楽しもうと思います。寒い季節はお湯割りもオツですよ。

(写真:お湯割り)

ちなみに今回、ここまでの加糖はトータルで60g。ホワイトリカーでつくる梅酒の加糖が一般的には100~300gが目安だとすると、ラムやカシャッサでつくる梅酒はやはりヘルシーに仕上がりました。
短期間でヘルシーな「カシャッサで漬ける梅酒づくり」ぜひお試しくださいませ。

-つくる, 日々是漬け酒